【再生物語】
第1部 愛
2001年でハワードがCEOを退きオーリン(その後5年CEO)へ、成功物語からCEO交代までの回顧、オーリンからジムにCEOが交代になり2006年から既存店売上に変調が見られるようになる。2007年水面下で起こっている異変にハワードはCEO復帰の意思を固めてゆく
-スターバックスは中核事業のコーヒーから離れ、
何を実現したい企業なのか不明瞭になる
-それまでの急速な出店拡大による、スターバックスの
ユニークさであった、店舗の雰囲気やコーヒーの質、
スターバックス経験と呼ばれる最大の強みが薄れてゆく中で
顧客離れが進む
第2部 信頼
2008年ハワードのCEO復帰から、中核事業、原点回帰と事業整理、具体的なアクションプランを策定
-7つのアクションプラン
・コーヒーの権威としての地位をゆるぎないものにする
・パートナー(従業員)との絆を確立し彼らに刺激を与える
・お客様との心の絆を取り戻す
・海外市場でのシェアを拡大する*各店舗は地域社会の中心になる
・コーヒー豆の倫理的調達や環境保全活動に率先して取組む
・スターバックスのコーヒーにふさわしい創造性に富んだ成長を
達成するための基盤をつくる
・持続可能な経済モデルを提供する
第3部 痛み
2008年、スターバックスの歴史の中でもっとも厳しい600店舗の閉店、人員整理を中心に描かれている。設備投資遅れによるオペレーションの非効率性や、収益性を省みない出店の結果、それまでの問題が景気後退と合わせて一気にスターバックスを直撃した。初の赤字計上とハワードの苦悩を描く。スターバックスの価値観で言えば、人員整理はありえないことであり、それをやらなければ事業存続ができないことを受け入れなければならない現実の厳しさが伝わってくる。
第4部 希望
2008年、金融危機の背景を描きながら、今までスターバックスが積極的に自分たちが何者であるのかを表現してこなかったことを反省し、SNS(Facebook、Twitter、WEB)や米国大統領選の時期に流すCMによって人々と交流してゆくきっかけをつかみつつある導入段階を中心に、改革のアクションプランの実行がよくわかる
http://www.youtube.com/watch?v=a2J8KJDsqqY&feature=player_embedded
(2008年スタバCM)
第5部 勇気
スターバックスの中核事業であるコーヒー事業でのイノベーション(インスタントコーヒーVIA)を中心にスターバックスが本来持っている起業家精神や創造性の部分にフォーカス、2009年までの業績回復を描きながら、急成長し続ける中国市場へのシフトチェンジを描いている。
-経営が永続的に安定することはありえず、景気後退や
予期せぬ危機的なことが起こるということを忘れてはいけない
-四半期の短期的な業績だけを評価するようなウォール街に
影響されてしまうことで間違いなく経営判断を誤る
-中核事業の重要さ、但し視野が狭くなると創造性やイノベーションが
失われるのが現実、このバランスを取ることの困難さ
-コーヒー事業と言えど、テクノロジーや畑が違う新規事業(SNS)
によって事業展開が変化するのは、人々のライフスタイルが変化するから
-経営再建は、やるべきことさえ決めて、実行することができれば
顧客が求めている企業ならば必ずリカバリーできるということ
2012/03/13
スターバックス 再生物語
ラベル: 読書