2009/04/15

Coach Poppyとサマンサタバサ


Coachと言えばプライスゾーンが5万円程度で、ちょっと背伸びすれば手が届くアクセサブルブランドとして人気を博しているが、この秋から新プライスゾーンの3万円台で新しくコレクション(Poppy)を市場に投入する記事があった。この戦略はどうなのか。3万円台と言えば、サマンサタバサのプライスゾーンだが、この2社のブランディング、MDは全く異なるアプローチで、長期的に見るとCoachのブランドステータスを損なうのではないかと感じている。そもそもCoachの強さとは何かを考えると、手に届くか、届かないかというプライズゾーンとデザインや質の良さ(品の良さ)という点ではないかと思う。短期的に見ると、デザインも可愛く爆発的に売れるのではないかと思うが、長期的には、ブランドとしては極端にコモディティ化してしまうのではないかと思っている。サマンサタバサは著名人を広告塔に起用することで、お洒落や憧れという部分をうまくブランディング戦略として取り込んで3万円という価格帯で成功している。両者の顧客像を考えてみると、Coachはある程度お金は持っているけど、カバンにまわすのはどうかという(5万円を考える)集団で、サマンサは3万円は大金と感じている集団が、憧れを手にするというような心理が潜んでいるように思う。つまりサマンサにとっては競合が増える状況になる、Coachにとっては5万円を躊躇する顧客層を取り込むことが容易になるが、そもそも背伸びして買いたいという憧れの要素を失うリスクが伴っているように思う。数年後どうなっているのか楽しみだ。
情報というのはIn-putすることだけではなく、必ずOut-putすることをしないと意味をなさない。それが当たるにせよ外れるにせよ、自分の頭で考えて仮説を立てる、将来に何が起こるかシュミレーションすることが何よりもトレーニングになる。Blogというものは、そのような自己鍛錬に最適だ。そもそもOut-putしないならIn-put自体の時間が無駄になる。時間ほど付加価値の高いものは他にはない。