2007/08/16

アンパンマンは社会インフラとなった。

以前ブログで触れたが、アンパンマンがなぜ人気なのか?について
簡単にアンパンマンのルーツから
著者、やなせたかしがアンパンマンを描く動機となったのは戦争による深刻な食糧事情があった。
空腹という人間の欲を満たすことがままならなかった経験から当初の作品のコンセプトである。
困っている人に食べ物(自分の頭)を食べさせてあげる。というストーリーが骨組みとなった。
当時はひらがなで「あんぱんまん」現在はカタカナで「アンパンマン」である。
アンパンマンの美学とは、決してカッコ良くもなく、頭が削れてしまったりという通常のヒーローにはあまりお目に掛かることができない現実の人間の繊細さを含んでいるところに著者の考える、ヒーロー像の本質がひそんでいるのかもしれない。
アンパンマンという企業は、社会が切望していた潜在的なニーズであったのかもしれない。
アンパンマンという企業は、しっかりしたビジネスヒエラルキーで成立している。
①ミッション(理念)
困っている人を自分を犠牲にして傷ついても助けよう。
どんな相手でも決して屈しない正義を貫くこと。
②ビジョン(目標)
世界から空腹をなくす
③戦略
単純明快なストーリーライン、バリエーション豊かなキャラクター(2000種?)
自分の頭を困った人に迅速に運べるようにインフラを確保する。
個性豊かな仲間とチームワークを発揮する。
ジャムおじさんの後方支援
競合としてバイキンマンを置くことで活性化
子供たちのヒーローというポジションを確立していくこと。
④計画
各種メディアや関連グッズ事業への積極的な活動をしていく。
アンパンマンの絵本の総発行部数は2006年に5000万部を超え。
2005年6月に発表した人気調査0歳~12歳対象のキャラクターで4年連続首位。
0~2歳児の支持率58.6%。
2005年キャラクター商品の売上額は年間約900億円。
2004年8月時点のライセンス商品は6500点、ビデオ・DVDの総売上本数は750万本。
⑤管理
アンパンマン版権使用許諾は日本テレビ音楽にて一元管理。
アンパンマンというキャラクターの価値の下落を防止。
主なライセンシーであるバンダイやセガトイズなど4社による「アンパンマン会議」も設置し徹底した、クオリティー管理をしている。商品偽装問題に気をもむ消費者にも安心。
⑥業務
メディア露出
地方巡業(笑)

こうしてアンパンマン企業は世代を超えることができた。
誕生当初は人間っぽい風貌であったが、丸いフォルムと3頭身という子供に愛される姿へ変貌をとげたこと。つまりアンパンマンはイノベーションを行い。
世代を超えたことで、親になった当時の子供たちがアンパンマンを生活の一部として愛することにより、圧倒的支持を受ける要因となった。そして子々孫々アンパンマンは存続し、我々の社会的なインフラとなった。

結論:子供たちのヒーローは世代を超えることができたら生き残れるかもしれない。
    それにはミッションとビジョンが明確であり、きちっとした戦略が必要であり、
    イノベーションできることが前提である。

アンパンマンが人気である理由、それはアンパンマンが私たちの社会の一部である
ということなのかもしれない。

困ったときは是非飛んできてもらいたいものである。