2008/07/09

醜くて気難しい王子の古い話

醜くて気難しい王子の古い話は、先日読了したウォルマート本の中に出てきたものだが、企業が現在直面している問題をうまく例えており、かつ人間としての在り方もうまく喩えている。この王子は自分から人格者になろうとしたわけではないが、ある美女の関心を引こうとした。この感受性豊かな美女の心を自分のものにするために、ハンサムな顔立ちと気高さを映し出す仮面をつけなければならなくなった。彼は仮面のように行動しはじめ、最後には自分が成りたいと強く思っていた人物になってしまった。善い王子という仮面が本物になってしまったという話だ。引き寄せの法則のようなものだが、私が新人店長時代の上司も同様なことを言っていた。「メッキも何度も塗り重ねれば立派に光る」、その通り、はじめから黄金に光っていることは稀で、誰しも装うことからはじめるものだ。早々にサジを投げてはいけない。装いたい何かがあれば、近づくことはできる。偽善者も偽善を繰り返すうちに本物に変貌する可能性を秘めている。墓場までメッキを塗り続けたらいいのではないか。