原理原則は、何処でも通じるから原理原則のはずだが、経営の原理原則は本当に、原理原則なのだろうか。ほとんどの会社は企業後、数年ないし数十年以内に姿を消す現実に、経営の原理原則を行なえば存続できるという保証は全くない。あまりにも、この世の中に経営の原理原則なるものが浸透した結果、ある種、この原理原則は既にコモディティ化して全く役に立っていないのではないかという仮説を立ててみた。ヘッジファンドの凄腕マネージャーが同じ金融工学に則って、似たようなリスクヘッジや売買基準を定めれば、ホームレスマネーは時と場所を同じくして、全く同じ方向に向かう。こういうことでは利ざやは減少する一方で、とんでもないしっぺ返しを食らうのも時間の問題だ。実は経営の原理原則も同じような同一化の方向へ向かいすぎていて、本来ならもっと生存率が高いはずなのに、多産多死の状況に陥っているのではないかということ。無論、経営の原理原則は口で言うほど実行するのは非常に困難というのも事実ではあるが、同一化すれば競争は熾烈になり淘汰が起こるのは必然。改めて原理原則を踏まえてBe uniqueであることの重要性を感じる。Be uniqueといっても、おそらく人間が思いつくことは既に世の中になんらかの形になって現われているはずなので、注意深く物事を観察することが重要であると考える。