2011/04/20

結果を出し続けるために




ご存知、将棋棋士、羽生善治さん著書の「結果を出し続けるために」、結果を出し続けているだけに説得力のあるタイトル。この本を読んで、プレッシャーに対しての理解を深めることができたのは収穫であた。プロ棋士がなぜ、そこまでしのぎを削る極限状態の中で、そこまで集中できるのか、非常に言葉には表しにくいが、感じることもできる。学んだことは3つ。


  • あと一歩という時が一番しんどい、しんどいということはあと一歩の地点である

  • 選択をする場合、その選択が間違いであったとしても納得できるかで判断する

  • ゴール志向で枠にとらわれず、その枠を突き破る可能性を常に探る

極度の緊張、プレッシャーについて羽生さんがp82に書かれている内容で、駒がちゃんと指せないほど、手が震えたという。実は私も手が震えてどうしようもなかった事がたった一度だけある。それは香港赴任中の会社の理念に関する暗記のテスト。今でもその時の手が震えた感覚が残っている。このテストは当時全店長が集まった会議と合わせて行われたテストだったが、実は私は当時の部下と、このテストを日本語でなく、広東語で受けて満点を取ると約束をしていた。どうしてもやればできるということを証明したかったし、同じ店長というポジションで働く仲間にも刺激を与えたかった。テスト当日まで相当に勉強を積み重ね、準備は万全だった、必ず満点が取れる確信を持っていた。ところが試験開始とともに、鉛筆を持つ手が極度のプレッシャーのために震える、勝利を確信しているために、どんな些細なミスも許されないという状況に自らを追い込んでいたのだろう。結果は満点であったが、そのときなぜ、そこまで震えたのか、よくよく考えもしなかったが、羽生さんのおっしゃる事は、つまりはこれだった。プレッシャーを好きな人はあまりいないと思うが、プレッシャーの無い人生とは、実は全く人間として何かに挑戦していないことの裏返しなのかもしれない。折角頂いた人生を放棄しているのかもしれない。