ワールドゴールドカウンシル日韓地域代表である豊島逸夫さんの著書、GOLDを通して世界の第一線で活躍されてきた経歴を最大限に活かした1冊といえる。今回の長期休暇は2回この本を読ませて頂きGOLDが世界で担ってきた役割や、今後のGOLDとの上手な付き合い方へのStanceなど十二分に吸収できる内容でした。株や債券とは別に「金」というものをもっと深堀して知ることは、本のタイトルにもあるように、正に「金を通して世界を読む」ために必要な視点を養うことに他ならない。このような金の台所事情は少なくとも、豊島悦夫さんのように金に深く携わった方しか知ることはないと思える。少なくとも私はそうだった。
第一章 金価格上昇の背景
第二章 古くて新しい通貨「金」
第三章 金市場を賑わすプレーヤー
第四章 日本でも注目を集める金取引
第五章 金を動かす各国の思惑
第六章 これからの金を見るポイント
軽く第二章の感想を。
第二章では、主に金本位体制と通貨の係わり合い。世界の基軸通貨である米ドルでも200年程度の歴史、金は2000年の歴史がある、そう考えると米ドルが紙くずと化した瞬間、世界は機能不全に陥るわけで、皆Americaという国を信用して紙で取引をしている。そんな危ない橋を渡っている感覚は、この章を読むまでリアルではなかった。米ドルとドルペッグ制を取っている香港ドルで、金貨を購入すると、つまりそれは、米ドルへの不信任投票をしていることになる。香港の宝石商のショーウィンドウには金のアクセサリーがたくさん並んでいるが、これからは、金を見る目ががらりと変化する、そんな印象を持った。
この本を読んでから、新聞やビジネス誌の金に関するコメントが目に留まるようになったが、読みが浅いコメントも実際には存在していることを感じれるぐらい。見え方の変化を感じることができた。是非読んで欲しい1冊だ。最近読書した中では一番お勧めである。また純金積立などは日本人の気質にあった投資方法で、3000円から毎月自動引き落としで貯金感覚で挑戦できるので、いいのではないでしょうか。
日経マネーにて豊島悦夫さんのニュース読解でも、金に関する情報は共有されています。
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