Newsweek日本版11月18日号で「外国人の海に沈む水の都」という記事があって、衝撃というか、残念な気持ちになった。ベネチアの永住人口は、この40年間で半減し、年間800人が流出、2030年までに一人もいなくなるという話。外国人が別荘として購入したり、レストラン経営もアメリカ人やイギリス人にとってかわっているらしい。ベネチアが海面の上昇で海に沈むといわれ続け、何十年も経過したが、海に沈む前に、外国人の海に沈むというブラックが入った記事のタイトル、建築に詳しいひとは知っているだろうが、ベネチアの地盤に突き刺さっている杭や建築に使っている石などは、トルッチェラ島から、ベネチア人が現在の場所に移動するときに持ってきたもので、地盤の弱さの懸念もあるが、それとともに海面上昇という問題にも直面している。街には運河がはりめぐらされており、通常の移動はバポレットという水上バスのみで、車がないから、とても静かだ。私が訪れたのは1998年12月の雨の日で、水が海面に当たるたびにエメラルドグリーンに光っていたのが印象的だ。小さいリストランテがたくさんあり、イタリア人のノリが良いおじさんが、美味しいパスタを作ってくれた。そしてベネチアにあるベネチアンマスクの店は全て訪れてみた。そう、ベネチア市民のいないベネチアなど、ベネチアではない。
まあ今回の特集記事である本と雑誌と新聞の未来も気になったのですが、それはまた後日。
2009/11/12
変わり行くベネチア
ラベル: 話題