デール・カーネギー著書「人を動かす」必読中の必読の書である、この1冊を知らない方はいらっしゃらないだろうというぐらい有名。「人を動かす」などという大それたことを私はできないが、人の為に何ができるかを考えて実行することはできる。デール・カーネギーが明瞭かつ簡潔に取りまとめた、この一冊は非常にシンプルな原理原則が並んでおり、およそ難しい内容などは見当たらない。短くまとめられた実例を元に構成されているので、短時間、細切れな時間でも読み進むことができる。なぜこれほどまでに世界で愛されたのかは、このシンプルで読みやすい点、誰しも理解できる内容であるということ。ではなぜこれほどまでに、シンプルで実現しがたいのか、それは、一度この本を読んだだけで、分かった気になってしまい、犯しやすい過ちを繰り返してしまう人間の弱さの現われなのだろう。魂の伴わない行動では、「自分は動かない」「人を動かす」為の究極の一歩は「人、つまり自分を動かすこと」に尽きるのではないだろうか。もしこの不朽の名著「人を動かす」を読んだことがないのなら、今すぐお読みになることをお勧めしたい。
そこでふと感じたことを少し。
社内公募で海外事業に参画したいひとに応募のレポートを提出してもらうという人事のやり方というものは、デール・カーネギー氏が私達に教えてくれる原理原則からおよそ対極にあると感じてしまう。やりたい方は手をあげてください、私達が貴方を評価して、適任かどうか見極めたいと思いますので、どうぞ。これでどれだけのマネジメントが手をあげるのだろうか、疑問を感じる。海外事業に興味を持っているマネジメントの心境、立場になって考えてみれば、どのようなアプローチが有効で、かつ魅力的なのかは、5分も考えれば想像がつくものだろう。彼、彼女らが一番知りたいのは、渡航までの日程、給与体系、手当て、生活水準、日本までの飛行時間、できれば現地で働いたマネジメントの生の声、労働環境、異文化コミュニケーション、食事、余暇の過ごし方、仕事はハードということは言うまでもない。心の底から強力な欲求をかきたてさせるには、人の立場に身を置くことが大切だということは、本著でも触れている原理原則の1つである。私など到底敵わない優秀な人材の集団でも、このような初歩的な原理原則に躓いている。
2009/11/27
Dale Carnegie How to win friends and infuluence people デール・カーネギー 人を動かす
ラベル: 読書