少しずつ小分けにしてアップしてゆこうと思う。
10年前に香港を訪れたとき、まさか自分が香港で仕事をするなんて思ってもいなかった。当時はヨーロッパ一周バッグパックの計画を控えていたので、その予行練習にと思って、手っ取り早く決めただけだ。しかも当時H.I.Sが起業した頃で、激安パッケージツアーにちょっとした自由行動の時間があるという極めて自由度が低い旅であった。現在は香港国際空港は新しくなり、市街からは離れた埋立地に移転されているが、当時の啓徳空港は市街地にあり、離着陸の際は、町の中を飛んでいるような錯覚に陥るほど、ビルの谷間を飛んでいたインパクトがあり、世界的によく知られていた。1998年この体験ができたのは、非常に貴重であったと思う。2008年3月24日、10年ぶりに降り立った香港の空港は当然綺麗に整備され、当時と違った印象を受けたが、香港の日差しだけは、当時の印象となんら変わらなかった。とにかく湿度が高く、蒸し暑いの一言に尽きる。海外駐在員というと耳障りがよいが、やることは日本にいるときと何も変わらない。ただ見知らぬ土地の見知らぬ風土で育った人達と仕事をするときは、いつもより慎重になるだけだろう。新しい環境に胸を膨らませたのは、ほんの1ヶ月程度だけで、後は厳しい現実との戦いだった。今でも脳裏に焼きついているのは、香港島にある店舗を見学したとき、トイレに什器やマネキンなどがぐちゃぐちゃに押し込まれてあり、BR(倉庫)は乱れに乱れて、唖然としたことだ。この光景を見た瞬間、何をしなければならないのかを肌で感じ取った。
全ては整理整頓からはじまる。