2009/12/28

電子書籍端末キンドルの衝撃 Kindle impact


CNETの記事は、米国アマゾンが販売する電子書籍端末キンドル(Kindle)が2009年のクリスマス商戦で爆発的に売れたことを公表している。また25日には電子書籍が紙の書籍の販売数を上回ったと報じている。キンドルの販売数は正式に公表はされていないが、本の世界のiPodと呼ばれるように25000円程度の比較的値ごろな価格で、2012年には20億ドルの売上規模に達するのではないかと報じている記事もある。本を読む人間なら理解できるが、単価が1000円の本を1日1冊購入して読んでいれば1ヶ月で本体が買える。電子書籍の価格は紙の書籍に比べ安価であり、今後爆発的にキンドルの販売数が増加すれば、元々顧客に郵送するためのコストや原材料を必要としない電子書籍は益々、破壊的な価格になりうる。キンドルはアマゾンの金の卵なのだ。そして今年のクリスマスは、多くの本の虫にとっては最高の贈り物がプレゼントされたこととなる。日本は、電子書籍に関しては後進であり、もっと電子書籍の普及を促すべきだと考えると同時に、英語圏の情報インフラの1つとして日本人はもっと、このような機会を利用すべきだ。世界の変化から常に取り残されつつある日本人は、世界の中で井の中の蛙になりつつある。


それでも紙の書籍には、紙の書籍の良さがあるとは思っている。ただもしかしたら、世代を越えて引き継がれるのが、このブログのように電子の情報になる世界だって十分ありえる話だ。実家の本棚には母が若い頃、夢中で読んでいた難解な純文学がどっさりとならんでいるが、このような形で本が引き継がれなくなる日も近いのかもしれない。本を所有すること自体が実は収納コストを考えると1つの贅沢であり、効率的かつ経済的な側面で考えれば、一般市民には電子書籍の世界の方が実際は非常に魅力的である。