機内持ち込みの2冊目は、こちらでした。前作の「若者はなぜ3年で辞めるのか?」は読んでおりませんが、前回が状況を描いたのに対して、本著は辞めてどうするのか?を指南するような内容であるところが前作よりも評価されている点です。つまり前作ではSo what?と感じる人が多かったのかもしれません。この本を読むタイミングは高校在学中がよろしいのではないでしょうか。また就職を考える上でも非常に役立つ視点が取り込まれているため、いざ会社を選ぶとき、または会社でのキャリアパスが描きにくいときなどは1つの参考資料になるのかもしれません。1つだけ背筋が凍ったのは、社会には確かに階層のようなものが存在していて、搾取する者と搾取される者が存在しており、搾取される者、特にロストジェネレーション以降の人間にとって、例えば30年~40年後の人生は決して見通しが明るくない。そのような未来では、搾取する者にとっても何が起こるか我々は予測できませんが、少なくとも搾取される者にとっては、無職、無住居、無資産で路上生活する可能性も高く、そのような状況が散見される社会を思い浮かべると正直、子供達の未来についても不安を抱きます。日本に帰国したときに、近所の床屋さんが、入り口付近の大きな看板に毎日、様々な名言や格言を日替わりで書いているのを興味深く見ていたのですが、ある日「大人が変われば、子供が変わる、子供が変われば、未来が変わる」と記されていたのが一番印象的でした。私達は常々、子供に期待しよう、期待していると言っておきながら、いつしか最近の若者は…という論調へと染められてゆきます。今我々が変化すべき時であり、会社も変化するときであると思います。