そんな散髪の最中、久々に日本の雑誌で記事を拾い読みしたのだが、子供が親を刺殺という痛ましい記事は、考えさせらた。中学受験のために塾通い、テストの追試を内緒にしていたことが、相当なプレッシャーになり、眠りから覚めたときに包丁で、父親を刺殺してしまったという話。専門家によると、その瞬間に意識がない、特殊な精神状況下であったというような見解らしいが、その日は父親と一緒にケンタッキーで食事をするなど、とても幸せな家族のひとときを送っていたというから驚きである。周囲の話によると、とても教育熱心な家庭であったというから、熱心なのが裏目に出たと言うか、本当のところは家族しか知りえないし、当然親と子供間のギャップもあったに違いない。振り返れば、私の知っている同級生も就職難で内定がもらえず、自らこの世を去ったという話を耳にしたことがある。小学校のときは同じサッカー部で楽しく過ごし記憶があり、残念でならなかった。方や私は好き勝手放浪し、好きな教科は100点でないと我慢できず、興味がない教科は白紙でも涼しい顔をしているような人間で、落伍者もいいところだが、塾などサボればいいし、追試など、適当にかわせばいいと思ってしまうが、そこは誠実な人間ほど、後ろめたさを感じて、自ら窮地へ追い込んでしまうのかもしれない。勉強を要求するよりも、学ぶことの楽しさをどのように伝えるかが、難しいのではないかと思う。そこは親がウキウキしながら読書していたり、「見て!見て!、これ凄いよね?」というような日頃から知的好奇心をくすぐるようなHead Fakeをかけてやるのが、いいかもしれない。塾は行きたいと言われたら行かせてやればいい。習い事は習いたければ習えばいい。学校も行きたければ行けばいい。インターネットが最高教育学府となった現代で、学ぶ場所など何処でもかまわない。但し生身の人間の集団の中で鍛えられる、異文化の中でIDを見失わないようなタフさは磨かれるべきだと考える。それにしても、痛ましい事件である。