2007/10/24

下流社会を読んで②

ビルゲイツは未来の世界をどう描いているのか。

上流階層には社会に富や知識を還元する義務があると思う。よく考えればわかるのだが、このまま階層社会が定着し、格差が増し社会がどんどん荒廃すれば、搾取する相手がいなくなるか、WIN-WINの関係を結ぶ相手がいなくなっていく。世界中の才能を活用する範囲がせまくなる。極端な話、スラムが形成され、意識階層だけでなく、本当の階層の出現と固定化、居住区すら明確になっていく状態で治安はどんどん悪化し狙われるのは常に上流階層の金持ちという図になる。おちおち買い物もできなければ外出も家の中ですら恐怖を感じる。しきりにハッキングや盗聴をされ、付狙われるような社会で幸せに過ごせますか。格差の末路は圧倒的幸福と不幸の格差ではなく。全ての不幸へと続いている。著者が書かれているノブレス・オブリージュ(高貴なる者の義務)は絶対である。上流階層は社会に貢献し富を還元する責任がある。それが上流階層にとっても長期スパンで考えれば幸福となりえる。そして最後に付け加えることは、機会平等の本質は、階層間のヒトの流動化であるが、階層意識の流動化ができない限り、記憶に新しいが、米国のアジア人の大学生による銃乱射事件である。このような残念な事件が多く発生しかねない。こういうこともよく考慮していかないとよい社会の実現は難しいと思う。例え階層があっても、機会が平等でなくても、いつの世でも輝けるリーダーはその障壁を破壊して世界を導く力を持っているはずである。そういう強さ、ハングリー精神や志を持っているのも人間の素晴らしさなのではないでしょうか。階層社会は現実として受け入れ、生きるのには困ることがないように社会を正していくことが肝要だと私は考える。アジアの片隅の小さな資源もない、超高齢化した日本が生き残っていくには、正真正銘の真のエリートが必要だ。ビルゲイツはノブレス・オブリージュをどうしていくのだろうか。