残業(OT)は一体何処からやってくるのか。日本の長時間労働は統計にも現れている通りで、なんでそんなに働いて、この程度のアウトプットなのかと欧米人は首をかしげているかもしれない。もしかしたら、日本人は勤勉で、勤労だと思われているのかもしれない。いやいや実際は長時間労働していないのではないか。つまり朦朧としながら職場にいるだけ、ぶらぶらしている、上司が帰らないから仕方なく仕事をしているふりをして時間をつぶしているのかもしれない。つまりタイムカード上は長時間だが、集中して仕事をしている時間で言えば定時なのかもしれない。
残業は何処からやってくるのか。残業の震源地は、ずばりボトムラインとトップからやってくる。仕事はどうしても1つ1つの仕事に依存関係が存在する。1つが終わらないと次の1つが進まない。つまりこの連鎖が着実に時間を消費し、仕事を完結させるために残業を発生させてしまう。トップとボトムラインにはさまれた地帯は最もホットな残業地帯になる。この板ばさみが各階層で発生するわけだから、手に負えない状況になってゆく。デスマーチである。
残業の本質に迫るには、残業をしなかった場合、一体何が起こるのか、徹底的に書き出してみると良い。そこに対処する方法は【スピードと質】に収斂されてゆく。
Wikiにデスマの大きな要因が4つあげられている
1.与えられた期間が、常識的な期間の半分以下である
2.エンジニアが通常必要な人数の半分以下である
3.予算やその他のリソースが必要分に対して半分である
4.機能や性能などの要求が倍以上である
換言すれば、仕事にどれぐらいの時間を要するのかの見積もりが甘く整合性がないうえに、仕事を委譲したり分担する人材がいなければ、デスマーチは必然となる。最も悲惨なのは、その仕事がどのように構成されているのか、1つ1つの構成要素やステップがわかっていない場合だ。この場合は仕事の棚卸が必要になる。残業しないための定石はこの条件をそろえることであり、デッドラインを決めたらトップからボトムラインまで全員がそれを厳守することしかない。仕事がチームプレーである以上、依存関係を断ち切ることはできないのだから一糸乱れず全員が決められたデッドラインを守ることが一番重要になる。
そう考えると、いかに仕事をきちんと棚卸し体系的にまとめあげ、正確な見積もりを行い、然るべき人材に分担、委譲し(人材がいない場合は教育)ある程度バッファを持たせたデッドラインを設定したうえで、それを1日8時間の定時におさめるのかが要となることがうかがえる。但しこれは残業を撲滅するということが目的であり、本当に優れた仕事をしたい場合は、1日8時間のうち1~2時間は創造する時間に使えるようにしないと革新性は生まれてこないだろう。やはりスピードと質が求められる。
スピードならITを駆使することで補完し、
質を上げるためには日々考える力を磨くこと。
デスマーチは絶対に避けたい。
2011/08/25
残業の震源地について
ラベル: 仕事