2010/03/03

デッドライン仕事術


デッドライン仕事術、ノー残業で有名なトリンプの社長である吉越さんの著書。ビジネスの世界、特に小売業という労働集積型産業においては、永遠のテーマではないだろうか。この本からは4つほど重要なエッセンスを引き出した。

①指導者が現場から遠くにいるほど、ホワイトカラーの生産性は下がる。
②がんばるタイム(コアタイム)
③フィジカルスピード<シンキングスピード ④仕事のアウトプット=能力×時間×効率 ①については、旧日本軍が敗戦した原因のうちの1つとも言われている、非常に優れたリーダーが戦場から遠く離れた場所から、指揮をとっていたことが結果的には、軍隊の生産性低下や判断ミスなどに影響を与え、敗退という状況に追い込まれた。こんな歴史を思い起こさせる内容であった。仕事の質や生産性を高めるには、指導者が現場にいることが重要な意味を持つ。
②については私も随分昔に、取り入れたコアタイムのこと。仕事が遅いひとを見ていると、まず集中できる環境にいない、だいたい複数のひととコミュニケーションを取りながら、ダラダラと仕事に向かっていることが多い。コミュニケーションを取るときと、集中するときのメリハリがないわけだ。
③フィジカルスピードは極限まで上げるべきだが、素早く賢明な判断ができるように思考回転をあげる必要がある。
④この公式のポイントは、通常仕事のアウトプットというと能力×時間で、能力は1日やそこらで急激に変化するものではないので、アウトプットをあげようと思えば、時間を延ばす、つまり残業しまくるということに陥り易くなる。しかし残業には精神的、肉体的な負荷もかかり、高い集中力を持続するのも困難で、結局その時間は集中している時間よりもかなり淡白な時間となり、思うような成果をあげることができない。この式で効率というところが隠されている。変動要素として力点を置くべきは、この効率であり、限られた時間(定時)の中で、頭を使って効率をアップすることで、アウトプットを伸ばすことができる。定時の中で戦うことの重要さは、ここにあり、それが飛躍的な成長とプライベートの充実となるのだろう。