柳井正社長の著書、「柳井正の希望を持とう」献本頂き感謝。この本を手に取ったとき、希望を持とうという単純明快なメッセージだなと思い、店舗で働くスタッフに朝礼で「希望を持っているひと挙手!」と聞いてみた。誰も手を挙げない。「では希望もなく日々下を向いて生きているのか?」と尋ねると、こちらは笑いが起きた。そう、つまりは「希望」というものを意識して生きてはいないということなのだ。「希望」と言えば、「KIBOW」というプロジェクトがGLOBISの堀さんを中心に立ち上がっており、日本を元気にしようと有志が集まっている。このプロジェクトについてはFacebookにもFan pageがある。
話を戻し、少し長文になるが6点、これだということにフォーカスして実行する。
1つ目は、p73にあるGoal-orientedについて、常にゴールを描いて、それを達成するために逆算して現状と目標の間を埋めてゆくというやり方は定石。そこで感じていたのはゴールを設定してしまうと、それ以上の成長や成果が生まれてこないこと。だから様々な可能性を含ませながら前進することが最善の手段だと思っていたが、改めて見落としていたのが現実の延長線上にゴールを置くようなことをしてしまっていたことだ。そもそもはじめから、現実の延長線上にない飛躍したゴールを設定しておかなくてはならない。そこに革新性がうまれ、そこへDriveするエネルギーがうまれてくるわけだ。特に経営をブラさないということは、いかにこのゴールをきちんと捉えているのかが差になるということを改めて実感した。Next Decadeの描き方は、この延長線上にないゴールをどのように置くかで決まってくる。私は毎年元旦までにNext Decadeを考える習慣があるが、結局毎年修正しているからブレが発生するわけだ。ブレたら戻すべきということだ。
2つ目はp114にあるビジネスマンにとっての人脈について、私は飲みニケーションを否定しないが、ここに書かれていることは真実だと思う。新人店長の頃は、いわゆる皆で飲んで、食事してと毎日のように、このようなことを繰り返したが、それが仕事で活かされたことはなかった。むしろこのような機会がなくても仕事上のコミュニケーションをしっかり取ったことでしか成果は上がらなかったことは経験上理解できている。バランスは必要だが、目的がはっきりしない会合は意味はないというのは同感。「維新会」は重要な人材をつなぎ、社内経営者育成機関に対抗できるような学びの場と成長意欲のあふれる集いとして、明確な目的を持って創出した場であり、今後は、この志ある会合をもっと有意義な場として改善してゆく。
3つ目はp130にある人を見る目を養うこと、これは日々実践していることだが、改めてこのように明文化されていると、その感覚が伝わってくる。面構え、発言、物腰、薄っぺらい人間は直ぐにわかる。
4つ目、p145、私の中で本著で一番響いた言葉であり、これこそが教訓だと言える言葉だった。「原理原則とは、自分で体験して、これが原理原則なんだと実感しない限り、その後の行動指針にはならない。」私は非常に頑固であり、また自分で考える習慣があるだけに、自分のやり方のほうが優っているというような驕りがあり、原理原則をわかったつもりになって何年も時間を使ってしまった。ちょっとしたきっかけで原理原則に足を踏み入れ、その本当の凄さを体感した瞬間、原理原則の魅力に取りつかれた。これは自分と同じ思考や癖のある人間がメンバーにいるときにきっと役に立つ経験だった。私も自分で体験して、これが原理原則なんだと実感したから、その後の行動指針に活かされる結果となった。つまり原理原則を体験させることが人を成長させ、成果をあげさせる1つ重要な切り口なのだ。
5つ目、p156ジョブホッピングで最高のチームを作る欧米型の経営や風土は、日本の企業で育った私達にとって、恐ろしく違和感を感じることの中の1つだと思う。サムライ型のチームビルディング思考で異文化に入るとわかるのだが、理念なき社員が多く、数年で自分が評価されないと転職してゆく、生え抜きで強いブランドを築ける人材育成をすることは、とても地道な努力の繰り返しが必要だ。
最後にp205、ちゃんと休もう。
2011/06/22
柳井正の希望を持とう
ラベル: 読書