2009/03/19

Coka Colaによる中国企業買収に独占禁止法

昨年9月に米国コカ・コーラは中国果汁飲料大手「中国匯源果汁集団」に対し、発行済み全株式を総額179億HK$での買収案を提示し、合意にいたるが、中国商務省は本件について果汁市場での競争が制限され、消費者が高い価格を押しつけられるおそれがあるとして、昨年制定されたばかりの独占禁止法によって、はじめてはじかれたケースとなった。中国商務省の見解は、コカ・コーラが炭酸飲料市場での支配的地位を利用して果汁飲料市場の競争を妨げるおそれがあるとしているが、そもそも炭酸飲料での支配的地位が、果汁飲料市場に影響を及ぼし、顧客に不適切な高値で商品を売りつけるようなプライシングをコカ・コーラがするとは、到底私には思えない。そうすれば他社にシェアを譲ることとなる。そもそも国内ビール産業を保護するような制度で、意図的に海外メジャービール企業のシェアを抑えていることを棚にあげて、国内の中小果汁企業の生存空間が押しつぶされるという論法は全く筋が通らないのではないか。健全な市場なくして健全な企業は育たない。政府は健全な市場を作るための法制度を整えるべきだろう。