2010/04/27

富は誰のものか?!

最近Midnight lectureとして、Internet(You tube)上でも公開されているようなオープン講義で学ぶのが習慣になっている。最近の一番お勧めは、このMichael Sandel教授のJustice(正義・公正)という全12回24コマの講義で、身近な事例を使いディスカッションを用い、自ら考えながら参加できるのが素晴らしい、この講義の絶大な人気が理解できる。世の中で起きている事柄を考えるのに、非常に役に立つ知恵と言っていいだろう。米国オバマ大統領が実現を試みようとしている国民皆保険は、米国民にとって、どのような意義を持つか、その賛否について、根底にある人間の考え方というものを理解すれば、どちらのサイドの言い分も、そもそも考え方のスタート地点が違うことが手に取るようにわかる。そしてこのようなことを議論できる場というものは、人間を飛躍的に成長させる絶好の機会である。先週のNewsweekにリベラルアーツ(一般教養)よりビジネスに直結したノウハウを習得したい学生が増加しているという記事があったが、ノウハウなどは学べば極端な話、誰にでもできることだが、リベラルアーツから育まれる人間性や創造性は、ビジネスを全く違う次元に導く素地となり得る。そこを勘違いして目先のスキル習得に走るのは愚者としか言えない。私達から職階や職責を奪い取れば、ひとりの地球人ということ以外何もないわけなのだから、ではひとりの人間として、どれほど豊かなのかということが私達がまず考えるべきことなのではないだろうか。今後もMidnight lectureは続けていこうと思う。