2008/06/26

売れるもマーケ 当たるもマーケ①


売れるもマーケ当たるもマーケ、マーケティング22の法則は、非常に鋭くマーケティングの在り方をまとめあがている。私の勤める会社に当てはめても、成功したとき、失敗している事業を改めて、このフィルターで洗いなおしてみると、うまくいっていない原因が見て取れるところもあった。もちろん自社の社長は当然、この本を読んだことはあるはずだし、各事業責任者も読んでいるだろうが、現状を打破できないジレンマの中に置かれていることも確かだろう。今回はせっかくなので、企業を個人に置き換えてマイセルフマーケティングという切り口で、本書を読みくだいてみようと思う。マーケティングとは知覚の戦いであり、最終的には資金源がある者が世界を制するが結論だが、マイセルフマーケティングとは同様に知覚の戦いであり、最終的には資金源を確保するための有効手段と言い換えられるかもしれない。





1:一番手の法則


一番手になることは、ベターであることに優るのは個人でもそうだ。
なんでも先に手を上げたほうが良い。最初の人間というのは、それだけで
アドバンテージである。


2:カテゴリーの法則


あるカテゴリーで一番手になれない場合には、一番手になれる新しい
カテゴリーを作ればいい、中国に詳しいひとは星の数ほどいるし、
池田信夫さんのような学者に知で対抗するだけ野暮な話だが、
中国にアホみたいに詳しい店長とカテゴライズする場合には、
(経営者もうようよいる)一番手になれる可能性は高まる。


3:心の法則


市場に参入するより、顧客の心の中に最初に入るほうがベターである。
少々分かりにくいが、端的に人の心には一気に入り込めということ。
人のマインドは一度形成されると変化させるのは非常に困難である。
そんなことは無駄である、だからこそ一気に入り込むのが正しい。
「そういえばあんなひと居たっけね」ではいけない、「やはり彼(彼女)だ
とならなければいけない。


4:知覚の法則


マーケティングとは商品の戦いではなく、知覚の戦いである。
人というのは信じたいものを信じ、味わいたいものを味わうわけで味の
戦いでなく、知覚の戦いで勝った結果、それが選ばれる。
よって単に人材スペックによって選ばれるより、知覚で選ばれるような
戦略は必要不可欠だ。


5:集中の法則


マーケティングにおける最も強力なコンセプトは、見込客の心の中にただ
1つの言葉を植えつけることである。つまり貴方を一言で表すと何かであり
それが認知されているかが大切である。「使える部下」「エクセルマスター」
「分析屋」「タフネゴシエーター」「暴走特急」「読書虫」「鬼教官」なんでも
かまわないが、その一言が存在するかしないかは、人生に大きな差を
もたらすであろう。


6:独占の法則
 
2つの会社が顧客の心の中に同じ言葉を植えつけることはできない。
もし競争相手がある言葉を植えつけていたり、あるポジションを占めて
いる場合、そこを奪おうとするのは無駄である。頼もしい相談相手が
2人も3人も必要かといえば、実際のところ1人いれば事足りる。


7:梯子の法則

採用すべき戦略はあなたが梯子のどの段にいるかによって決まる。
客観的に自分の位置を把握するために必要な考え方である。

8:二極分化の法則

長期的に見れば、あらゆる市場は二頭の馬の競争になる。
つまりトップかNo,2でないと早晩買収されるか、閉鎖されるか、売却される。
そう考えるとシビアな環境だが、意識的にカテゴラズした中でトップを
取り続けること、仕事をすることが大切だ。

9:対立の法則

No,2の座を狙っているときの戦略はNo,1の在り方によって決まる。
梯子の2段目にしっかりとした足場を築きたいのなら、その上段にいる
相手を研究すべきだということ、強みは何なのか、強みを弱みに
転じることができるかが要だ。No,1のエッセンスを見つけ出し、その反対
のものを提供できればよい。思慮深く手堅い仕事の進め方をするNo,1に
対しては大胆かつ迅速で修正可能なリスクヘッジの効いた仕事をすれば
いいわけだ。

10:分割の法則

時の経過とともに1つのカテゴリーは分割し、2つ以上のカテゴリーに
分かれてゆく。車1つ取っても大型、小型などカテゴリーがたくさんある。
事業の安定と拡大とともに、1人の人間がこなしていた多様な仕事は
ある程度分割され、それぞれスペシャルなカテゴリーに分かれていく。
いち早くカテゴリーを見極めて、そこに適したスタイルを模索することが
大切であり、オールラウンドのような器用さと膨大な仕事量をこなす
従来スタイルを次のカテゴリーに持ち込むと、いつまで経っても同じで
仕事の質が陳腐化してしまう。最適のタイミングとスタイルの変更は
必要だ。1つのブランドが他のカテゴリーでも一番手であることは稀だ。

11:遠近関係の法則

マーケティングの効果は長い時間を経てから現われる。これは非常に重要。
毎週チラシを打ってバーゲンをやるということは短期的(毎週の売上)では
効果を発揮しているように見えるが、長期的には顧客に正規価格では
買わないように教え込むこととなるため危険極まりないということ。
四半期の成績というのは確かに重要であり、会社に心血注ぐことはとても
大切なスタンスだが、本当にそれでいいのか自問する必要がある。服屋に
勤めているわけだから服関係の本を読め、なぜ経済学なんか勉強するの?
そんなこと何か意味あるの?と言う発言自体ナンセンス極まりない。
短期には現われない効果を考えていないし、気づいていない証拠である。
5~10年後マニュアルしか知らない人間とマニュアルも含め世界の動向を
知っている人間どちらが会社にとって有益か考えるべきだ。よってしっかりと
長期的なパーソナルブランディングを明確にしてコツコツ準備する必要が
あるだろう。もしかしたら貴方の会社以外でも貴方を必要とする機会すら
増大するかもしれない。その代わり直近の仕事と長期プランが同居する
わけだから、それはそれで大変な思いをするわけであり、
マーケティングはそんなに甘くないということに改めて気づくだろう。

22の法則の丁度半分なので、残りはまた明日。