2010/02/26

柳井正 わがドラッカー流経営論


柳井正さん著書 わがドラッカー流経営論 NHK「仕事のすすめ」にて放送されたものを再編成したものである。私がドラッカーに出会ったのは過ごす最近で、会社のアドバイザーとして社外から経営改革に参画された赤羽さんという方から、お勧め頂いて、1つずつ読んだ比較的新しい記憶があり、その時のドラッカーの印象は強烈であった。日頃本を読む習慣があっても、なかなか噛み砕いて理解しながら読むのに時間を要したし、かなりの影響も受けることになった。P39にある「あらゆる者が強みによって報酬を手にする、弱みによってではない、最初に問うべきは我々の強みである。」というのは今でも、自己成長や部下育成では、課題については最低水準で良いと思っているし、そこに時間を費やすより、どれだけ効率的であるか、また強みが爆発的に伸びることで、弱みの部分も克服されることも現実であると考えている。その逆をやるひとが多いのもよく見てきている。弱みを徹底追及した結果、本来兼ね備えている強みが色あせ、貴重な人材を失うことも多い。弱みと強みは上手く補完させればよい。P67何よりもドラッカーの魅力は単なるビジネス書や経営の手引きということではなく、哲学や人間の生き方に焦点が当てられているのも、非常に共感した部分で、改めて全て読み返したいと今、この本を読んで感じている。何度か読み返した部分はあるが、2回目をこのタイミングで読めば、新しい何かをつかめるのは容易に想像できる。P76にも書き記してあるが、ヒトが生涯の内の多くの時間を賭して生み出した本というものを読んで学ぶということは、コストパフォーマンスにおいては最高であるというのは、柳井社長の考えと全く同感であり、誰に聞いても良いと言われるような良書というのは、やはり価値がある。P113にあるドラッカーの教えが実は私に一番影響を与えた言葉である「成果を上げる者は仕事からスタートしない、時間からスタートする。計画からもスタートしない、時間がなににとられているかを明らかにすることからスタートする」残念ながら、私達の時間は有限で集中しなければ無駄に時間を使うことになる。一番成し遂げたいことに最大限時間を投下することが重要であるということは、正にその通りで、仕事の転機では、毎回仕事の棚卸をするのが習慣となっている。本著での締めくくりは2つのポイントに凝縮されている「企業は社会の公器と認識し顧客の立場になって考える」「経営者マインドを持って働く」一言で言えば、高い志を自ら掲げて突き進むことなのだろう。本著は既に経営をされている方から即読んだほうが良いとお勧め頂き、手にとって見た1冊。もう一度ドラッカーを読むきっかけになった。