2008/04/21

格差も捉えよう

格差社会というと、非常に後ろ向きなイメージであると思います。日本の中で感じる格差と言えば、実際は所得格差社会の上と下があるなら下に入っていても実感していない、自覚がない層が多いのかと思います。そんな私もそうなのかもしれませんが、とんと認識できない。しかし日本で格差を痛いほど感じている人はと言えば逆に相当深刻で、絶望の淵に立たされているのだろうと思います。香港に来て、異常なほどに高層ビルが乱立し、(今となっては香港だけはないですが)洗濯物を外に干せないのは大変だね?なんでベランダを作らないの?という質問に自殺が増えるから。という答えが返ってきました。おいおい本当か?そんな高層マンションに住むひとが、自殺するの?と思い数値を拾ったのですが、やはり10万人当たりで換算した自殺率はハッキリ言って日本のほうがはるかに高く。信憑性にかける回答であったと思います。中国での様々な格差は、周知の事実であると思いますが、この自殺率は格差と関係があるのではないかと思い、情報に触れるたびにこの格差をどう国民が感じているのか知りたいと思っておりましたが、私が実際に人々から感じるのは、格差パワーです。この経済大国を支えているのは、農民工という地方の貧しい村から、賃金不払などのリスクはあっても、なんとか都会で仕事をしてお金を貯めて生活を豊かにしようという上海ドリームではないですが、そういった前向きなエネルギーすら感じます。現状はそれほど楽観的な状況ではないですが、格差を埋めようとするパワーは日本人よりもあるのではないでしょうか。一言で言えば「どうにかなるさ」と「どうにかするさ」の格差でしょうか。