2008/01/07

整理整頓とは

整理整頓とは、整理と整頓の2つの要素から構成されているものである。
整理とは不要なものと必要なものに分けることを指し、整頓とは機能的に配置することである。このことをしっかりと認識している人は、片付け上手であることが多く、ほとんどが整頓への意識が強くバランスが崩れており、大量な物の中で必死に配置だけを変えようと悪戦苦闘するが、結局は、物の絶対量が変化しないため、またぶっちらかるという結末である。佐藤可士和さん流に言うなら手ぶらで仕事にゆくことが究極の整理である。何にもなければ整理する対象がないので必然的に綺麗な状態なのだ。クリエーターは物質的な整理整頓より、要求されるのは頭の中の整理整頓だと思う。物質的な整理整頓は物の絶対量を劇的に減らせば、ほとんど勝負がつき、後は使いやすいように使用頻度などに合わせて置き換えてやればよい。仕事をする上で厄介なのは、物質的でないものごとの整理整頓である。特に我々SPA(製造小売業)では、何かを作る提案、今なら来年はこうして欲しい、ああして欲しいという提案で溢れかえる。それはそれで商売を振り返ることは、とても重要なのだが、よくよく考えてみれば、来年の予算に合わせた生産しかできないのである。つまりパイは限られており、その分配と内容を決めることが肝要になる。ところが、我々ときたら、増やすことの要望は非常に多いが無くすことの要望が少ない。仕事もそう。何かをやろう!という動きばかり多く、何かをやめよう!という動きは少ない。私達は24時間しか持ち時間がないのだから、仕事に使える時間だって限られている。その中でやろうやろうと動きまわれば、1日48時間あったって足りるわけがない。これは仕事の整理ができていない証拠である。つまりは、何かをやろう!と何かをやめよう!対になっていないといけないことになる。商品を増産するなら、減産するものも特定して提案しないといけないし、仕事も何かをやるなら何かをなくす決め事をしないと整理整頓の本質に近づくことは到底かなわないのである。一時期話題になっていたセカンドライフでは、自分の持てるアイテム数が限定されている。ドラクエだってそうである。僕達は際限なく何でも抱えられるわけではないのだから1つ買ったら1つ捨てる意識を持たないと、スッキリした人生は送れないのではないか。