2008/03/05

モノは、なぜ溢れるのか

たまたま食事前に子供とテレビを見ているときに、ふと不思議だと思ったことなのだが、子供の成長に伴い物が増えて収納スペースが足りなくなっているご家庭の自宅リフォーム計画を見て思ったこと。この収納スペースと聞いたとき、そういえば三井物産もセルフストレージ事業に参入したよな。そういえば最近やたらめったら、貸し倉庫やコンテナが目立つな。土地に上物を建てるより、駐車場にして資産運用している人は多いけど、同じ更地ならコンテナも1つのビジネスモデルだなとは思っていた。どうやらモノが溢れているらしいのが現代の日本の傾向かと考えた。考えるまでもなく、ここまでは巷で言われているモノ余りの典型的な現象面ですが、もしかしたら、モノとココロの関係は人間世界へ大きな影響力を持っているのかもしれない。モノが不足していた時代、人間は物欲を満たすことで、幸せを感じることができた。モノが飽和した時代、人間はありきたりものへの執着心は薄らいで手に入る限りのモノを所有する物欲では幸福感を感じることが難しくなってきた。本来はココロを満たすモノは物だけではない。精神的な幸福感を感じることができるように人間は鍛えられなければならなかったのだが、経済の高度成長に身を任せることでモノでココロを満たすことばかりに囚われてしまい。人間が本来大切にすべき精神的な満足感への注意を払わなかったために精神の病に陥る人間が増えた。つまり現代の日本人、いや先進国特有の症状ともとれるココロの病は実は、このセルフストレージ事業の活性化と比例するように膨張し続けるのではないか。所得格差の現代で、フェラーリや豪華な宝石という物欲を満たせる人間は限られている。限られた人間は手ごろなモノで物欲を満たし続ける。星の数ほど手頃な物欲を満たしたモノの山は、行き場所を求めてコンテナへ流れてゆく。これが中国やインドで起こったら地球はどうなるのだろうか。私達は今あるモノの中で工夫するということを学ばなければならないし、モノよりも精神的な幸福についてもっと真剣に向き合わなければならないと思う。もう1つ付け加えるならばWEB2.0の世界でも情報が溢れかえっている。これも情報をストレージするという行為によって、あちらの世界でもリアル世界と似たような現象が起こっている。人間という生き物の大罪にもう1つ「storage」を付け加えた方がいいのではないか。また片付けられない症候群なんて病もあるようなので、モノと人はどのように向き合うべきか考える必要はあると思います。ちなみに片付ける対象、つまりモノがなければ片付けられない症候群は発症できませんよね(笑)私は必ず新入社員に仕事の「整理整頓」を最初に教えます。合わせて今回のような仮説は議論したりするとお互い勉強になるかもしれませんね。

http://jp.ibtimes.com/article/biznews/061117/2087.html
(セルフストレージ事業)

http://diamond.jp/series/noguchi/10015/
(ちょっと内容はズレますが、情報ストレージの方法について)