2008/03/11

プロフェッショナルを感じる瞬間

奥さんの実家に家族で泊まっていたのですが、子供が朝方から嘔吐、高熱、下痢で夕方前に医者に連れて行くことにしました。あいにく日曜日だったのでインターネットで検索して一番近い小児科を探して車を出しました。到着したのは物凄く古びた小さな病院で、その外観から小児科医師の不足や過酷な労働環境というようなことが頭をよぎらせました。中に入ると体調の悪そうな人が大勢おり、よろよろと死にそうにお腹を押さえている若い女性やお年寄り、顔が真っ赤になっている女の子や咳き込んでいるひとなど、病気が蔓延しているんだと感じるような混雑ぶりでした。自分の子供の名前が呼ばれ、診察室に入って驚いたのですが、明らかに80歳台ぐらの腰が曲がり、首も前に傾き、指にも包帯を巻いて、ちょこんと立っている小柄なおじいちゃんがおり、そのおじいちゃんがドクターであるという事実でした。正直(大丈夫???)と不安になりましたが、質問や指示も的確、若干耳が遠いのと同じ質問を繰り返す(笑)ぐらいで本当に凄い人間だと思いました。この人を突き動かしえいるのは何なんだろうと診察の間、じっと見つめてしまいました。このお年なら自宅でのんびり過ごしてもいいぐらいだし、こうやって医師として多くの子供を助ける毎日を選んでいる。妻とも医師について話しをしましたが、自宅の近くの子供の主治医も凄くいい先生で、先日私もワクチンを打ちに行ったので人柄や見識を感じることができたのですが、この超ベテランの先生も同じだねと意見が一致。医師によって考えは違うが、抗生物質を使いたがらない先生と、直ぐに抗生物質を出す先生で分けることができるという話になった。この二人の先生は共に抗生物質を滅多に出さない方で、生命が持つ力強さを尊重しているのだと思います。抗生物質を直ぐに出した方は比較的経験も浅い新米医師に多いという傾向がありました。抗生物質は最終手段である。これも彼らの持つ哲学なのでしょうか。その超ベテラン先生の一言「6~8才までに100回病気をするものだ、つまり1ヶ月に1度は病気になってしかり(あわてるな若き夫婦よ)」この超ベテラン先生からプロフェッショナリズムを感じずにはいられない。そして時代を越えて来た医師としてのディープスマートが継承できずに失われてしまう勿体なさも感じてしまった。