2008/03/02

友の国スイス

アイルランドに滞在していたときに隣のお部屋にステイしていたスイスの友人ローリー。長期滞在するために語学学校に籍を置き、知り合った友人もスイスから来た人々が多かった。それから3年後バックパックを背負ってヨーロッパを放浪していた時に訪れたスイスは大雪で真っ白だった。ブリュッセルでストにはまり、足止めを食らっていたが、ようやくストが終わって列車に乗り込むときの不安はいつでも同じだ。次の国で生きられるか。生きるとは雨風、寒さを凌げるかと食事だとつくづく感じた。そして身の安全ぐらいだろう。死んでしまっては雨風、寒さなんてどうでもよくなるが、寒さで死ぬことも餓死することも同様に避けたかった。事前で電話して待ち合わせたが、何分見知らぬ国の見知らぬ駅。懐かしい顔に安堵した。異国の地で友人が助けてくれるというのは本当に心強いものだ。彼の家はシュイーツという場所で、非常にのどか、のどかというならスイス自体がのどかだ。彼の弟と幼馴染には、アイルランドで一緒に酒を飲んだことがあるので面識はあった。何がエキサイティングかと言えば日本人がいない(正確には一度も会わなかったし見掛けもしなかった)この土地で、日本人の私が彼らのコミュニティ、ライフスタイル、風土、文化に溶け込んでいることだ。彼のブラスバンドの地域コミュニティに参加し演奏を聞かせてもらった。その夜の夜空に見えたミルキーウェイは最高に綺麗だった。雪山に木製のそりを担いでゴンドラで山頂へ、そこから二人一組で足だけでコントロールしながら下まで一気に滑り降り、イエーガマイザーという薬草臭い酒で暖を取ったり、彼らのいきつけのパブで、なんでもかんでも話して夜を過ごしたりもした。ローリーの幼馴染のバンドの演奏があったときも、その飲み屋へ連れて行ってもらったり、クリスマスマーケットやローリーの悪友達のホームパーティにも参加させてもらった。ハイジの国スイス、素朴さがとても素敵な国だ。最後にローリーは郵便局に勤めていて、私がアイルランドにいるときに仲の良かったイザベルという女の子は、実はローリーの上司(局長)の娘さんだという恐るべきつながりがある(笑)これは後日談。旅は人を成長させるし、人と人をつなぐ素敵なものだ。可愛い子には旅をさせよ可愛い子ほど旅に出せ、旅をさせても死なないマッチョに教育はすべきだけど。そこから先は自分で切り開かせるしか方法はない。