2008/03/21

中国人口問題のいま


中国の人口問題はタフな問題であり、この問題解決やコントロールだけでも長い月日を掛けられるほどの分野であると思いますが、私の本業は人口問題を考えることではなく、そこから導き出されるビジネスの仮説や検証である。政府も頭を痛める問題、そして何より正確な統計が前提条件の人口動態において、精度の低さ、出生や死亡の届けの漏れだけで2~3割発生しているようでは、人口動態を軸にしたビジネス戦略の構築は困難である。そこは専門分野の権威の皆様が頭を使ってより現実の数値に近づける努力をしてもらったものを利用して人口問題に纏わるいくつもの良質な論文を束ねたのが本書である。編集に当たっては、個人的なフィルタが入っていないことで、本書がリアルな中国の人口問題へ肉薄していることへの期待が持てる内容である。人口動態を把握し理解を深めることは、産業の発展、未開拓のビジネスへと考察を進める基礎となる。中国で人口爆発の抑制と言えば「一人っ子」政策が容易に想像できるが、これ1つ取っても正確に理解している人間は少ないのではないでしょうか。問題は山積みで、この国を治めるのは非常に厄介なことである。