2009/05/07

貧困のない世界を創る



浅沼ヒロシさんのブログでも書評されている1冊だが、はじめて本のタイトルを見たときに、ふとミレニアム開発目標を思い起こした。ミレニアム開発目標(Millennium Development Goals)に掲げられている目標のトップに極度の貧困と飢餓の撲滅とある。ウィキペディアの説明にもあるように、極度の貧困とは、1日当り1ドル以下で生活をする水準をさしている(確か、1ドル25セントだった記憶がある)、この本で取り上げられているマイクロクレジットというものは、実際は、このミレニアム開発目標に掲げられているような段階の話ではない。発展途上国に水道などのインフラを整えたり、識字率を向上させるような当たり前の教育や、農業技術などの支援など、本当に生活するために必要最低限なレベルまで引き上げようとする試みである。本当に貧困のない世界を創るためには、マイクロクレジットのような段階も大切であるが、それよりももっと私達がやらなければならないのは、発展途上国や極度の貧困と飢餓の中で困難な状況にある人々に、自力で梯子が登れるように、梯子の最下段に足をかけさせてあげることだと、国連ミレニアムプロジェクトの長を務めるジェフリー・サックス教授は唱えている。