2009/05/23

香港経済指数悪化

香港政府は先日、「2009年第1四半期経済報告」を発表したが、第1四半期(1-3月)のGDP伸び率は-7.8%で、過去11年で最低を記録。比較的記憶に新しい亜州金融危機に見舞われた1998年第3四半期の-8.1%と同程度である。政府は1ヶ月以内に100億HK$を拠出することを明らかにしてはいるが、具体的な内容については触れていない。曽俊華財政長官は記者会見で「現在直面しているのは最も悪い時期で、下半期の経済は現在より良くなる」と述べているが、最も悪い時期は本当に今なのか疑問である。そもそも経済減速の主因は、貿易の落ち込みで、第1四半期の輸出総額は前年同期比22.7%減の過去55年で最低となっていることであり、政府が考えているような100億HK$の活用方法を、公共住宅の家賃減免や不動産税の減免、またはH1N1対策の清掃作業員の臨時雇用でまわなわれるかといえば限りなく的外れな景気対策と言えるのではないか。またH1N1は弱毒性といえど、感染が拡大すれば観光大国香港にとっての大幅なImage downにつながることは間違いない。6月、7月は祝日、連休もなく消費の落ち込みは濃厚であり、以前厳しい状況が続くと見た方がよいだろう。香港政府はCEPA第6補充協議の調印を早急に行い、施行時期も10月ではなく、もっと前倒しした方がいいのではないか。