2007/08/25

財務のお勉強に














最近読んだオススメの本です 左 過去読んだやつ 右
我々チェーンストアの店長のゴールの1つにフランチャイズのオーナー店長という目標が1つ考えられると思います。
フランチャイズ店長の多くがもっとやっておけばよかったとか、もっと勉強しておけばよかったというものの1つに結構毎度毎度含まれているのが「財務」について、特に財務三表は読みこなせるか、使いこなせるかぐらいになっておいた方がいいとおっしゃる方が多い。
私も店長になる1年前に絶対に必要だと思って勉強しよう勉強しようと思いながら店長になってしまった。
一度は全て読み込んでみたが、実際に使い込んでいないので時間の経過とともに理解度も低下。
やはり1つ1つ着実に使いこなすのが一番理想だと自分なりの結論に至る。

ということで今回はROE(株主資本利益率)について
ROEとはオススメの本の中の一文が単純明快で誰でもわかると思います。
「株主が投資したお金をどれだけ効率よく活用しているかを見る指標である」
アメリカでは、このROEを重視した経営が盛んで、日本もその影響を受けていると思いますが、式に直すと非常に簡単で、

ROE(株主資本利益率)=利益÷株主資本(資産-負債)×100(%)

ROEは大きければ大きいほど数字として良い、経営として良い、というのは式を見ればピンときます。
利益は大きければ大きいほどいい、つまり分子は大が良く
株主資本は小さければ小さいほどいい、つまり少ないお金でたくさん儲けるということ。
分母は小さければ小さいほどいいとなる。
健全な経営者というか、普通なら利益を増やしていくという方法でROEを改善させるのが定石だが、アメリカではそうではないということを著者の原丈人さんは説明されている。
つまりアメリカのビジネススクールは分母の方に目をつけた!
分母を最小化すれば、分子が変動しなくてもROEは改善してしまうということ。
確かにまじまじと式を眺めていたら数字遊びで思いつくことだが、それを経営者はせっせとやってしまう。どうやって?
従業員解雇や工場の売却により資産を圧縮するという手段、脂肪吸引手術のようにギュギュッと
必要ならばアウトソーシングしてしまえばいいということです。
書いていて、このROEの指標の魅力を感じなくなってしまったが、逆にROEを短期に操作するような画策がなされていないかを注意してみれば、それは逆に確認すべき指標ともなりえると思う。
ということで、この財務テクニックを使ってどんな会社がどんなROEを叩き出しているのか検証してみるとROEについては理解が深まるのかと思います。
今書いたような内容を具体的な数値を割り当てて解説しているナイスなブログがあるので私のような財務初心者なら参考にするといいと思います。

http://kabuohazimeru.blog22.fc2.com/blog-entry-105.html

この本は内容自体が物凄くいいものだと思います。
どの項目についてもよく内容が整理されていて、わかりやすい。
WEB2.0に興味がある私にとっては特にPUC(ペイパーシブ・ユビキタス・コミュニケーションズ)というアーキテクチャーやPtoP型のネットワーク環境を支えるデータベース技術のIFX理論に可能性を感じましたが、情報不足で調べても詳細を明らかにすることができていません。
これは自分の宿題にして、話を本に戻すと、
もう1つ凄くわかりやすかったものの1つに第三章の会社の新しいガバナンスとは?がある。
コーポレート・ガバナンス(企業統治)と縁が深いCEO(最高経営責任者)は我々店長にとっては中々その存在や仕事の進め方、人事など近くにいないだけに、ピンとこない役職の1つだと思います。
この本では、アメリカのCEOについて書かれていますが、その絶大な権限と厳しい評価体制についてよく説明されている。
株主総会によって取締役は選任され、取締役によって厳しくCEOは選任されるという理念上の関係が、CEOの独裁になっているということ、その元凶がストックオプションである。
つまり株主は短期間で株価上昇により利益を得たいという希望とCEOはCEOが持つストックオプションからの利益、トドメはCEOの暴走を止めるはずの取締役をCEOが選任していては、企業統治どころではないというのもうなずける。
そこにROE改善財務テクニックがあれば、なんちゃって企業のできあがり。
そんな企業、社会にとって何の存在価値があるのだろうか。